くろこげびより 西荻窪

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「ダイアログ・イン・ザ・ダーク」行ってきました・暗闇のアレコレ興奮の感想【ダイアログインザダーク dialog in the dark 東京外苑前会場】

 ダイアログ・イン・ザ・ダーク

TBSラジオで存在を知ってから、ずっと行きたかった
ダイアログ・イン・ザ・ダーク」というイベントに行ってきました。

そりゃもうすんごい良かったので、興奮冷めやらぬまま感想を書きます。

ダイアログ・イン・ザ・ダークは、
暗闇のソーシャルエンターテインメントです。

参加者は完全に光を遮断した空間の中へ、グループを組んで入り、
暗闇のエキスパートであるアテンド(視覚障害者)のサポートのもと、中を探検し、様々なシーンを体験します。
その過程で視覚以外の様々な感覚の可能性と心地よさに気づき、
そしてコミュニケーションの大切さ、人のあたたかさを思い出します。
(公式サイトから引用)

誘った友人は「ダンサーインザダーク  企画」などと一生懸命検索してたそうですが、ダンサーじゃなくてダイアログです。

ダンサー・イン・ザ・ダークのイベントがあったら参加者全員が鬱になってしまう…)

予約は公式サイトから。一般チケットは大人5,000円。学割あり。
 http://www.dialoginthedark.com/
外苑前駅から10分くらい歩いて到着。

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ビルの側面に↑の黒い看板があるので見つけやすい。

まず受付で身分証明書を見せて氏名を確認し、簡単な説明を受けたあと
ロッカー(100円返却式)に荷物を預けて手ぶらになります。
中で100~400円のドリンクを買えるので、
小銭か1,000円札だけポケットに入れて準備完了。
予約時間が来るとスタッフの方に召集され、別室に進みます。わくわく。

いよいよ参加

最初に入った小部屋はまだ明るく、そこで視覚障害のあるアテンドさんと対面します。
明るくハツラツした女性の方で、一安心。
「女性○人、男性○人ですね!」と男女構成もズバリ当てられました。
ここでちょうどよいサイズの杖を選び、ものの触り方を教わったあと
また別室に進み、ここではじめて消灯。
非常灯の赤いランプだけ点いているのですが、
周りの人や自分の体すら見えなくなります。
うわーはじまったーとドキドキしながら他のメンバーと自己紹介しました。
姿の見えない紹介は不思議な感じ。

そしてアテンドさんの声に従い、そろそろと移動を始めます。
とはいえ怖いので、覚えたばかりのメンバーの名前を呼びかけあい、
見えないけれどおそらく団子状態のまま、杖をシャカシャカ動かしつつ
(人の足をつつきながら)歩きます。完全完璧な暗闇です。
静かな人はどこにいるか分かりません。声、大事。
「くろこげさんのところに集まって~」などと誘導してくれる
アテンドさんの凛々しい声がとても頼もしいです。

ほぼ日手帳に描いたらくがき絵日記。

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ここは公園?らしい

葉が手に触れました。どうやらこれは笹らしい。
鳥のさえずりや水音が聞こえたり、土っぽいにおいがしたり、
足の裏にでこぼとと石のような感触がありました。ここは公園だそうです。
全く見えないので、途方もなく広いように感じます。

怖いなりに少し慣れてきてうろうろ探索していると、ちょっと遠くで
ブランコを発見した人がいて、キャアキャアと遊んでいました。
(乗りたかったけど次の移動がはじまり、断念)

見えないけど、ガーデニング

公園を抜けてからガーデニング体験に挑戦しました。
声を頼りに鉢を配り、手探りでプランターに入った土を探し、かき混ぜ、
種を撒きます。指先で土に触り、「あっ土!」「土を触ってる!」「土だー!」
「土のにおいだー!」とめいめい土に大興奮しました。
あんなに真剣に土と向き合ったのははじめてかもしれない。
腐葉土赤玉土をそれぞれ触りましたが、ほんとに全然感触が違う。
たまにぶつかる誰かの手は柔らかく、ちょっと安心しました。
声と手探りでの共同作業は面白かったです。意外と、声だけなのに
ものの受け渡しもスムーズにできました。
種を植えた鉢は、そのまま持ち帰れます。
土は八ヶ岳倶楽部・柳生真吾さんのオリジナルブレンドだそう。

見えないけど、酒を飲む

また移動してベンチに腰掛けると、ドリンクを注文できます。
私のグループはほぼ全員がビール(400円)でした。他にもお茶や
オレンジジュース、カルピスなどがありました。
手探りでアテンドさんとお会計をします。お札はサイズが5mmずつ違い、
端を手で触ると1,000円札は棒、5,000円札は円、1万円札はL字のマークが
あって判別できるとか。
(外に出てから見てみたら、確かにありました。)

暗闇で乾杯し、飲むビールはやたら美味しかったです。
真っ暗闇レストランなんていいんじゃないかな、などと思いつつ
アテンドさんと参加メンバーでしばしお喋りをしました。
暗い中で共同作業をしたせいか、妙に親密な雰囲気でした。

この辺で気付いたのですが、完全な暗闇だから目を閉じていてもいいのに
私はずっと目を開いてまばたきしていました。
「視覚情報がほしい!」という気持ちがずっと有ったのかもしれません。

飲みほしたらイベント終了。

そして外へ

薄暗い部屋に入って感想などを話しながら、目を慣らします。
皆満足したもよう。

暗闇の捉え方、怖がり方もそれぞれ違っていたのがわかりました。

視覚があっても世界の見方は異なるのだなぁと、当たり前のことを再確認。

明るいロビーに出て、改めて同じグループだったメンバーを見ると、
声のイメージと少し違って見えてなかなか面白かったです。
ものすごく堂々としてリーダーシップを発揮していた人が
意外と柔和な感じだったり。

 ダイアログ・イン・ザ・ダークはすごかった

ふだん視覚に頼って生きている人間が
「ぜんぜん見えない、何も見えない、90分間ひたすら見えない」という
新しい世界に足を踏み入れるのは、ちょっと怖いながらも
刺激的でワクワクできる体験でした。

同じ感じになるかなぁと、家に帰ってから部屋を暗くしてみたのですが、
真っ暗闇にならないし、そもそも家具やドアの位置関係を知っているので
スイスイ歩けてしまいました。
これはこれで発見でしたけど、やっぱり暗闇体験はイベントに行くのが
ベストだと思います。おすすめします。

季節によって内容が変わり、企業研修もあるそうなので
会社でパンフレットを配って広報しようと企んでいます。

手触りばつぐんタオルもあるよ

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視覚障害のある方とコラボして作ったという、物欲をそそるタオル。
暗闇から出て直後に触ると手触りの違いが分かりやすいらしい。

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ダイアログインザーダーク参加チケットを購入してプレゼントすることもできます。
むしろ欲しい。